ダンボールを拠点として繁殖する、ゴキブリやチャタテムシ、シミといった害虫たち。彼らにとって、ダンボールは安全なシェルターですが、その楽園にも、恐るべき「天敵」が存在します。そして、その天敵もまた、私たちの家の中に、潜んでいることがあるのです。ダンボールの虫たちの天敵、その代表格が、家にいる「クモ」です。例えば、天井の隅で、細長い脚を震わせている「イエユウレイグモ」は、チャタテムシや、ゴキブリの孵化したばかりの幼虫などを、その不規則な網で捕らえてくれます。また、壁や床を高速で徘徊する「アシダカグモ」は、ゴキブリの天敵として有名ですが、ダンボールの周りをうろつく、他の小さな虫も、容赦なく捕食します。ピョンピョンと跳ねる「ハエトリグモ」も、小さな虫を見つけては、果敢に飛びかかっていくハンターです。これらのクモは、人間には無害な益虫であり、家の生態系のバランスを保つ、重要な役割を担っています。次に、意外な天敵が「ゲジゲジ」です。そのグロテスクな見た目から、強烈に嫌われていますが、彼らもまた、ゴキブリやクモなどを捕食する肉食性の生き物です。ダンボールの周りに、これらの餌となる虫が豊富にいれば、ゲジゲジもまた、その狩場に現れることがあります。さらに、目には見えないミクロの世界でも、戦いは繰り広げられています。シバンムシなどの甲虫の幼虫には、「シバンムシアリガタバチ」という、非常に小さな寄生蜂が寄生することがあります。この蜂は、シバンムシの幼虫に卵を産み付け、孵化した蜂の幼虫が、シバンムシの体を内側から食べて成長するという、壮絶な生存戦略をとります。ただし、このアリガタバチは、人間を刺すこともあるため、益虫とは言い切れない、厄介な存在でもあります。これらの天敵の存在は、自然界の摂理の表れです。しかし、私たちが、彼らの活躍に期待して、ダンボールを放置しておくわけにはいきません。彼らがいるということは、やはり、その家に、彼らの餌となる、より多くの害虫が存在する、という証拠でもあるからです。根本的な解決のためには、やはり、元凶であるダンボールそのものを、家から排除することが、最も賢明な選択なのです。