家の中や庭で虫の卵を発見した時、最も重要なのは、パニックにならず、安全かつ確実な方法で対処することです。間違った処理は、かえって被害を広げたり、健康を害したりする原因にもなりかねません。基本的な手順と注意点をしっかり覚えておきましょう。まず、大原則として「絶対に素手で触らない」ことです。卵にどんな菌や毒が含まれているか分かりません。必ず、ゴム手袋やビニール手袋を着用するか、割り箸やティッシュペーパーを使いましょう。次に、駆除の基本は「物理的な除去」です。壁や床に産み付けられた卵は、ガムテープや粘着テープを押し付けて貼り取ってしまうのが簡単で確実です。卵を潰さずに除去できるため、中身が飛び散る心配もありません。植物の葉の裏に産み付けられた卵の場合は、その葉ごとハサミで切り取ってしまうのが最も安全です。特に、チャドクガの卵のように毒針毛で覆われている危険なものは、葉ごと切り取り、そっとビニール袋に入れるのが鉄則です。ティッシュなどで卵を潰して取り除く方法は、体液が飛散したり、手や周囲を汚染したりする可能性があるため、あまりお勧めできません。どうしても潰す場合は、必ず屋外で、袋の中などで行いましょう。そして、駆除した卵の「後処理」も非常に重要です。取り除いた卵や、卵のついた葉、使ったガムテープなどは、すぐに厚手のビニール袋に入れ、口を固く縛って密閉します。これにより、万が一袋の中で孵化しても、外に逃げ出すのを防ぐことができます。その後は、可燃ゴミとして地域のルールに従って速やかに処分してください。殺虫剤の使用についてですが、多くの殺虫剤は卵の硬い殻には効果が薄いとされています。しかし、孵化直後の幼虫は薬剤に弱いため、卵が産み付けられていた場所の周辺に、残効性のあるスプレーを吹き付けておくと、孵化した幼虫を駆除するのに効果的な場合があります。安全第一で、冷静に、そして確実に。これが、虫の卵との戦いにおける必勝法です。
虫の卵を見つけたら?安全で確実な駆除・処理マニュアル